NOVEL
□山田A子
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「A子?」
…
私がそう呼ばれるようになったのは
いつからだったろうか…
もうずっと昔のことのように思える。
そして、この名がこんなに定着してしまっていることは私にとってどれ程お」
「A子うるさい」
「A子!さっきから呼んでるのに何ぼーっとしてるのよ!」
「……すみません」
私の名前は山田絵理子。
A子ではない。
ヤマダエリコ、だ。
ん?
“平凡”な名前だって?
今鼻で笑った奴、前出てこい。
それは万死に値する、禁句中の禁句。
当然知っているはずだ。
覚悟はできているな?
…そんなことは知らなかっただと?
阿呆か、お前は。
それなら、今教えた。
次は無いと思え。