NOVEL

□one phrase
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梅雨をぬけ、いよいよ夏になろうという日差しに鬱陶しさを覚えていた頃。

私は、母のものである喪服のワンピースを来て目的地へ急ぐ。


…はぁ…


今日のような6月下旬の暑さは私が苦手なものの一つであり、
ここぞとばかりに照りつけてくる太陽に嫌いだった。

額にうっすら汗を滲ませて暑さに耐える。

だが、そんな私の神経を逆撫でするように、
話し声や車のエンジン音が耳に入る。


はぁ……


私は黙って、白っぽいレンガでモザイクに舗装された歩道を進む。

歩道から照り返す日差しで目がからからとなって瞬きをする。

目の乾きを感じながら、
無心で何度も繰り返した。
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