期間限定フリー配布SSです。
お持ち帰りになる際は『板』等にて一言いただければ
嬉しいです。





***** My Self *****





♪〜


小さな機械が存在を主張するように音を奏でた
中を確認
メールが一件


『今、暇ですか?』


愛しい人からの大切なメール


試験期間中で義務である勉学に力を注ぐ
高校生なら当たり前
しかし部活が無くとも毎日のトレーニングは欠かさない
体力が落ち、反射が鈍るから
当然の事


今は勉強の最中
と言っても、もう終わらせようかと思っていた
ちょうどいい


『大丈夫だ。瀬那は勉強はしたか?』


同じく試験期間の瀬那
瀬那も勉強しなくてはならない


『今日のノルマはやりましたから平気です。今日の帰り、進さんと桜庭さんを見かけましたよ』


すぐに返ってきたメールは少し長かった
瀬那は携帯に慣れているからな
最近持ち出した俺には一文でも時間がかかる
今までは要らないと思っていた
だが、瀬那と連絡が取れるのなら買って良かった


そんな事より
俺と桜庭を見た?
……あぁ、スパイクを見に行った時か


『スパイクを買いに行っていた』


声を掛けてくれればよかったんだが
もう一週間、会っていない
そろそろ顔を見たい


『あ、そうだったんですか』


俺もしっかり周りを見ておけばよかった
そうしたら瀬那に会えたかもしれない
そう思うと少し悔しい


『次見掛けたら声を掛けてくれ。俺も瀬那を見掛けたら声を掛ける』


そうすれば擦れ違う事も無い


『はい。そうしますね』


早く会いたい
会える日はまだ先
まさか自分がこんな女々しい想いを抱くとは思ってもみなかった

携帯を持つ事も誰か一人に会いたいと強く思う事も
瀬那と付き合いだしてから考えが変わった

桜庭から携帯を持つ時に言われた
「クラッシャー」
自覚は無かったが相当の機械オンチを言われた


「進が携帯を使う日がくるなんて……瀬那君のおかげだね」

「最近表情が出るようになったな」


周りの人が認めるほどに瀬那の影響は大きい
今までの俺は日々練習だった
それが『俺』だと思っていた
でも今の俺も『俺』であって戸惑う時もあるが嫌いではない

こう考えるのも瀬那のおかげなのだろう



♪〜


『テスト頑張りましょうね。それではおやすみなさい』

『お休み』

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