サイドストーリー
□The☆situation reversed
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高校の卒業式も近付いたある日。
暁はエイラーンの中央駅に立っていた。
いつ来てもこの街は初夏の様に暖かい。
冬である日本の服装のまま来てしまった暁は、上着を脱いでシャツの袖を捲り上げた。
「こっちではまだ朝の10時かぁ…、雄飛とウィンさんはまだ仕事中だよね」
警役所に行っても迷惑をかけるだろうし…と、溜め息をつく。
つくづくこの時間差は不便だ。
今日は雄飛に、卒業式までの要項が記されたプリント等を渡しに来たのだ。
プリントはポストにでもメモと一緒に入れておけばいいが、せっかくこっちの世界まで来たし、それに何より、あと24時間は日本に帰る事は出来ない。
「どうしようかなぁ…」
(お金持ってないから喫茶店とかにも入れないし、言葉も通じないし…)
「…………!!」
そこでハッとする。
「そうだ!!」
暁は涼しい裏通りへと走り出した。