マシマロ。

□恋ってなぁに?
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「骸クン、骸クン、」
「おや?なんですか?」
僕の名前を呼ぶのは白蘭。
僕は正直、白蘭に恋をした。
だけど、告白はしていない。思ったより鈍感で子供だった白蘭に今この気持ちを言っても伝わらないだろう。
子供な性格だとわかったのはミルフィオーレに潜入してから一週間。
クッションを抱きしめながら寝たりする白蘭は悶絶モノ。
「………って骸クン、聞いてる?」
「ぇ?あぁ……なんでしたっけ?マシュマロクッションがほしいんですか?」
「あ、うん。ほしいんだよね…でもボク、外行けないから………じゃないよ!!」
「おや?ではなんでしょうか?」
「だから……」

恋ってなぁに?

………………………。
僕は白蘭に恋してます。
………その白蘭が恋は知らない…ですと?
「はぁぁぁ!!?」
「き、急に大声ださないでよぉ……だって本当に知らないんだもん………」

白蘭は恋を知らずに育ったらしい。
子供のころは真っ白な部屋で大切に育てられたらしい。白蘭が唯一知っていたものはマシマロ……マシュマロというお菓子。
そして、孤独。
親というものはいたが、よく旅行に行っており、いい子だね。と白蘭を部屋に閉じ込め、マフィアに殺された。
隠し部屋にいた白蘭は生き残ったらしい。それは最後の親からの優しさだった。
親が教えてくれたのは笑うということ。幸せなら笑いなさい、ということだった。
白蘭はそこから笑って生きてきた。悲しくても、辛くても。
しかし、愛や恋というものは知らなかった。
憎しみなどの感情は覚えても、愛や恋という感情はなにも知らなかった。
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