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□毎土企画
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「んぅ...」
もぞ、と毛布の中に潜る刹那。
「もーせっちゃん?」
木乃香が布団の上から呼びかけると。
「....すぅ....」
穏やかな寝息。
「もー...。遊びに行こう、って誘ってくれたんせっちゃんやんかー...。なんで寝てるんよー」
とある土曜日。
夕方、買い物に行こうかと準備していた木乃香に、一本の電話。
「もしもし?せっちゃん?」
『お嬢様。刹那です。あの、突然なんですが、明日、もしお嬢様がお暇なら、どこか、行きませんか...?仕事もないので...。』
終わる寸前のカセットテープのように小さくなって行く声。
その声にかぶせるように、「行くっ!!」と大きな声で返事をした木乃香。
『えっいいんですか?ありがとうございます!』
まるで巻き戻したカセットテープのように、元気のいい声を出す刹那に、木乃香はくすっと笑みをこぼして。
『なんですか、お嬢様ー』
拗ねたような刹那に、また笑いがこぼれて。
「なんでもないえ?」
『なんですかー!!あっ仕事に行かなきゃ...。すいません。行ってきます』
「行ってらっしゃい」
そう、電話を切って、ふっと残る寂しさに顔をしかめ、木乃香は買い物へ行こうと部屋を出た。