メイン3

□毎土企画
1ページ/4ページ

冬の、キンと張った冷たい空気。

大きく吸い込めば、ひんやりとした冷たさが喉を通る。

「げほっ...」

大きく吸い込んだ木乃香が、冷たさに驚いたのか、咽せた。

「大丈夫ですか?」

覗き込む刹那。

「うん、大丈夫...ちょっと咽せただけや」

「そうですか」

前に向き直った刹那が、鼻をこする。

真っ赤になっている鼻。

「せっちゃん、寒いんやろ」

「....寒くないです」

「寒いんやろ」

「...鍛えてますから」

ぷっ

木乃香が笑い出した。

「な、何で笑うんですか、お嬢様ぁ」

「鍛えてますから、って言ったって、さっきからずーっと鼻こすってるやん。もう鼻真っ赤やで?」

「そ、それは...」

途端に真っ赤になる刹那。

「寒いんやろ?」

「...........寒い、です....」

「よくできました」

きゅっ...

「えっ...」

「これなら、寒くないやろ...ってせっちゃん!?」

「えっはっはい!?」

木乃香と手を繋いだ瞬間、木乃香が叫んだ。

びくりと肩をふるわせる刹那。

「手、カサカサやん!!!」

「ほえ?あ、あぁ...」

離された手を見る刹那。

乾燥して、所々ひび割れている手。

冬場は、いつもそうだ。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ