メイン2
□毎土企画
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「せーっちゃん」
「なに?このちゃん」
庭に掘られた穴の底と、その隣りに作られた大きな山を見比べて、木乃香が刹那に声をかける。
「大きなお山になったなぁ〜」
「そうやね〜。」
小さな手が、ペタペタと山の表面を固めて行く。
「せっちゃん、トンネル、作ろー!!」
「うん!!」
近くに落ちていた小枝を拾い、山の表面を少しずつ削る。
2人で同時に反対側から掘って、つなげる。
穴が大きくなって来たら、手を入れて、慎重に。
「このちゃん、どう?」
「うんっ‥せっちゃんの手、見えた!!」
微かに触れ合う指先。
「ほんまや!このちゃんの手、冷たいなぁ〜」
「せっちゃんも冷たい!」
「木乃香〜刹那〜」
「「あ!」」
「母様や!」
家の中から、木乃香の母親が2人を呼んでいる。