薬と剣

□薬と剣 三話
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「リュウさん大きいですね。
 うらやましい」

「お前いくつ?」

「16です」

「じゃあまだ伸びるって」

「だといいんですけど。
 リュウさんいくつなんですか?」

「22歳」

「え、もっと年上かと思ってました。」

「オッサンに見えるってこと?」

「違いますよ」

フフフと笑うセツ。
柔らかい笑顔がなごむ。

「僕今から畑の世話をしてきます。
 リュウさんどうされますか?
 新しい本でも持って来ましょうか?」

「いや、せっかく動けるようになったしな。
 一緒に畑見に行ってもいいか?」

「いいですよ」


動きたいのも勿論あったが、それよりもセツともっとしゃべりたいという気持ちが強かった。


家を出てセツの後ろをしばらく歩く。
畑は少し離れた所にあるらしい。

振り返ってみるとセツから聞いた通り、たくさんのツタが絡まった家は横の巨木と一体化して、そこに家があるようには思えなかった。

クネクネとした道をセツは慣れた様子でチョコチョコ歩いて行く。

「この向こうなんです」

たくさんのツタがカーテンのように垂れ下がっているのを手でよけてくぐりながらセツが声をかけてくれる。
結構な厚さのツタカーテンだ。
俺もセツの後ろからカーテンをくぐる。


「すげ・・・・・」


そこには想像以上の畑がひろがっていた。
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