薬と剣

□薬と剣 三話
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まず驚いたのは森以上にいろいろな植物がビッシリと植えられていること。

見たこともない実や花、草が生い茂っている。
てっきり家庭菜園のようなものを想像していた。
これはきっと薬材料の栽培だな。



2つ目に驚いたのはその広さ。

これを2人で管理しているのか?



3つ目は空が見えるということ。

森の中なのに畑の所だけ木が生えていなかった。
そのため、日当たりがよい。


畑の周りにツタが壁のように絡まり、外からだとわからないようになっている。
触れてみると俺達が入って来た所はカーテンのように手でくぐれたが、それ以外の部分は結構固い。
ここに畑があると知らなければ好んで入ろうとする人や動物はいないだろう。
しげしげと畑を見ているとセツが鉄でできた大きな筒を持ってきた。
筒の下には車輪が付いていて、転がして動かしている。

「リュウさん、すみませんが端っこによっててくれますか?」

「こうか?」

「もう少し、端ギリギリに」

「この辺か?」

「はい、その辺りでいいと思います」


一体何が始まるのか聞こうとした瞬間だった。


筒からパァァァンッ!!!と音がしたかと思うと、上からザザザァッと水が降ってきて、すぐに止んだ。
その間約4〜5秒。

「な・・・・・」
絶句する。

セツはニッコリ笑って言った。

「水やり終了です」

「ま・・・・まてまて、今のが水やり?!
 確かに水が大量に降ったがどうやったんだ?!」

「?
 普通に水球を使いましたけど?」

「水球ってなんだ?」

「これです」

セツが見せてくれたのは乳白色でこぶし大の球だった。

触るとプニプニしている。

「これをこの筒に入れて上に打つんです
 リュウさん知らないんですか?」
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