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□2008年火村有栖誕
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でもねでもねでもね、









ステキな毎日










カチッと時計が12の針を刺した瞬間火村がのしかかってきた。意味合いを理解してるだけにすごくうれしくなる。


「おめでとう、アリス」


ちゅ、と眉間に贈られたキスもなんだかむず痒くて気恥ずかしくてそっぽを向いてお礼を言う。


火村の手が髪や頬をなぜて行くのが心地よい。君に祝ってもいらって迎えた誕生日はもう何度目だろうか。


耳のふちを甘噛みしてじゃれついてくる火村は猫の様で今にもごろごろと喉を鳴らしそうだ。髪を撫で返すと嬉しそうにすり寄って来る。


クールかつ狡猾というかちょっと冷たいイメージのある火村先生がこんなことをしてると知ったら普段の彼を知ってる人々はどう思うだろうか。


「…ん」


「アリス、手出せよ」


「せやったらこの腕を放してぇな」


そうだったな、なんて白々しい事を言いながら火村が腕を放して私を解放した。風に触れる肌がうすら寒い。


「アリス、おめでとう」


「ん、ありが…待てって!お礼くらい、言わせ、」


ちゅ、ちゅ、と甘い口づけを繰り返されればいくら私でも大いに照れる。やめて、と言いながら押し返そうとした手に違和感を覚えて掌に目をやる。


「え…」


「おめでとう」


左手の薬指にいつの間にか嵌められた指輪に目が点になる。火村が私の手をとって指輪にキスをした。


「おめでとうアリス」


「…ほんまに、気障」


潤む視界を隠すように目を伏せると、火村が私の眼尻に舌を這わせて涙を舐めとる。もう嬉しいんだか恥ずかしいんだかわからなかったけれど、兎に角火村の体にしがみ付いた。


「ありがと、火村」


「プレゼントは俺の一生、でどうだ」


そんなの、いらないわけがない。唇に重なった火村のそれに甘く噛みついて、火村の体に腕を巻きつけた。


お願いだから、俺の一生も貰ってな。そう囁けば火村はにぃと唇で弧を描いて、言われなくとも、と笑った。


毎日が素敵、君がいれば素敵。でもね、でもねでもね、やっぱり今日は特別なんだって、私が生まれた日は特別なんだって思わせてくれる火村が居る事が、私にはなによりのプレゼントなんだよ。


繋がる熱を通して、何度も何度もありがとうとささやいた。










END.










―――――――――――――――
うーーーーm
こんな火村いやぁぁぁぁぁぁ


大人な二人でした


20080427#


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