10年目の10月11日に捧ぐ
























あんたのどれいのままでいい
(藍市)
























「あっ」


小さな叫びを拾って、藍染は顔を上げた。


「ちょ、ソレ、最後の1本」


何だそんなことか。
とうに気付いていた藍染がこれ見よがしに肩を竦めて見せると、市丸もまたこれ見よがしに顔をしかめて寄越した。


「待て待て待て待て」


彼にしては珍しく些か慌てた様子で遮る声と伸びて来た腕を軽く躱して、藍染はマッチを煙草の先に翳した。
被せるように恨みがましく未練がましい声が耳に届いたが、気にしない。
快晴の空に向かって白い煙を吐き出せば、向けられる視線のがいよいよ重くなった。


「交差点を渡って大通りを直進、2番目の角を左に曲がればコンビニがある」


「あんたが行けや」


「何故」


「あんたが今吸ってるマルボロは僕ので、最後の1本だった。吸う権利は当然僕にあった」


「成程」


コンクリ壁に凭れたまま小さく呟けば、しゃがみ込んだ市丸が非難の視線で見上げて来る。
強い日差しを浴びても一向に焼けることのない白い首筋に、薄く汗が浮かんでいる。
今年の残暑は長い。


「ここからせいぜい5分といったところじゃないかな」


「あんたが行けや」


「……」


「……」


「市丸」


「だから何故僕が行かなきゃならない」


おや、それを言わせるのか。
抜け目が無いようで、存外無防備なことを言う。
吊り上がる口角を感じながら、藍染は煙を吐いた。


「それはまぁ、愛ってやつかな」


市丸の動きが止まった。
沈黙は、呆れか驚きか。
しかしそれはほんの一瞬のことで、忽ち心底厭そうに顔を歪めた市丸に、藍染はほくそ笑んだ。


「くそ」


舌打ちと共に市丸が立ち上がったのは、それから程なくのことだった。
顔面目掛けて、黒いジャケットを投げつけられる。
つまみ上げると、埃と汗と香水と煙草の香りがした。


「今日は暑いからね、冷えたビールなんかも悪くないね」


「コンビニにハイネケンは無い!」


忌々しげに肩を怒らせ大股で去ってゆく背中に投げかければ、振り返りもせず跳ね返された。


「愛という憎悪!」


やけくそに拳を突き上げて、市丸が何やら叫んでいる。
遠ざかる猫背を見送りながら、深く煙を吸い込む。
30分、だ。
恐らく、30分後。
淡白なようでその実とことん甘いあの男は、2箱のマルボロと冷えたハイネケンを手に戻って来るのだろう。
憮然とした表情を隠しもせず、無言で緑の瓶を突き出すのだろう。
そこまで考えて頗る愉快な心持ちになった藍染は、狼煙の様に白煙を上げた。





























キョンバンワ!

間に合わなかったけど、10年目の10月11日に捧ぐ。
(10月11日って何?っていうお嬢さんはググってみましょう。拍手から矢文でも可)

間に合わないついでに、10月11日と12月16日の間を狙ってみた。

なんかもう、10年前に想像してた以上に未だに彼らが好きすぎて、両手で顔を覆って「ええー」って感じなんです手に負えないんです。

てか、9月10日はスルーしたのに、10月11日を祭るって、どーなの。

一体何の祭なんだか。ややこしいわ。

しかし、これもまぁ、愛ってヤツで。

にしても、藍染氏にマルボロ、似合わんですね。ハイネケンも。あと、コンビニ。似合わなすぎて、台詞打ちながらニヤニヤしてしまう程。

まぁファンタジーファンタジー(2回言った)。

設定が謎すぎる。て、今更ですか。

季節はずれすぎる。て、今更ですか。

なんかほんともういろいろすみません。

すみませんと言えば、ロス出身でサーファーな友人が、いっつも地元の海の写真見せてくれるんですよ。

んで、そん中に、どうやって撮ったかは知らないんですけど、そりゃあキレーなグリーンの波の写真があって。

あんまりキレーだし、彼も感想待ってるみたいな顔してたんで、

「ハイネケンの瓶みたいでキレーだね」

つったら、まぁ。

彼は、パーティーのたびに私と一緒にゴールデンエッグスのマイケルとステファンの一連の流れ(もしくは、かめ○め波)を物真似してくれるようなファニーなアメリカンであると同時に敬虔なプロテスタントでもあるんですが、そん時。

信仰捨てろと言われたかのような深い溜め息吐いて、うなだれちゃって。

リアルに「ジーザス……!」って言われました。

それ以来、写真見せてくれません。

完全に美的センス否定されました。

まあ、そんなもん、最初っからないと言えば、そうなんですけど。

誉め言葉だったんですけどね、私としては。

センスなんて、犬にでも食わせとけ!←ヤケ。

ついでに、英語も犬に食われろ!←暴言。

「とまと」と言ったはずが「ポテト」を出され、「びあー」と言ったら「ミルク?」と返される始末ファーーーーーッ○ス!!!!!ファックス!!!!!電話機!!!!!

あ、取り乱しました。失敬。

とりあえず、欧米組が「今年の冬はエキゾチック・ジャパン!フゥーーー!」と盛り上がってるし、地元でタケピコの奉納画が公開されるしで、新年明けたら、帰るかもしれません。

だからって、更新はお約束できませんが。←ダメ人間。

てゆーか、来月帰りたい!レキシ!ルパン!

相変わらず、こんな感じです。

それでは、皆様、良いお年を。

幸せに踊れよ!











以下、無駄にノスタルジー。










アイワォンザモターサイコー

あれから10年

青い春は確実に終わり、暮らす街も変わったけれど

今でも歌いながらトバしている(原付なのがイマイチカッコつかないが)

ゴキゲンにニコチンをふかしつつ(この国の煙草の味には結局慣れないままだが)

「パーティーは終わりにしたんだ」?

分かってる、分かってるよ、けどさぁ

そう言うなよ、そう言うなって

なだめすかして、緑のビンを空ける

そんな相変わらずの日々を過ごしている

もし、もしも、神様とかいう類に会うことがあって

この時代に生まれて幸せかって、聞かれたら

あんたたちに会えたから、まんざらでもなかった

って

10回に1回くらいなら(だってあたしには大切なものがあるから。あんたたちだってそうだろう)

そう答える





なんてな





Thank You Rockers!

I Love You Baby!

お前の未来を愛してる!

(10年たってもずっと)





もうすぐあんたの季節が来るよ、アベくん。











20131110 ユキ











生存確認(20130822)












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