薄桜鬼

□1話 出会い
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それから丸1日経った頃…



「ん…」


女の目が覚めたようだ。
土方は仕事を辞めて女に歩みよった。



「おい、女名前は?」

いきなりのドアップにびっくりしたのか後ずさりする女。
一気に殺気を出す。


「おい、お前の名は?」


「名無しさん、桐原名無しさん」


警戒しつつ言う名無しさん。


「なぜあそこにいた?」


土方は眉をひそめつつ言う。


「ここは…?」


「試衛幹だ。」



「試衛幹…?」


「逃げれば切る、わかったな」


負けじと殺気を込めつつ言う土方。


「………………、わかったな」


わかったらまだ横になっていろ、傷が開く。
土方は名無しさんの手首をつかみ布団に戻らせた。


「私の刀、返して」


起き上がり言う名無しさんに土方は言った。



「あれはまだお前には返せない。」


女があんなもん持つなという土方。


「いつか取り返す。」

名無しさんがボソッと言った。







「おいおい、もう起き上がって大丈夫なのか?トシ、また文をお願いしたいんだ」


「ああ、わかったよ、近藤さん」


嫌な顔せずに受け取る土方。


「君の名はなんというんだね?」


名無しさんのそばに座り言った。


「桐原名無しさん」


「名無しさんくんか!よろしく頼む、なぜ君のようなおなごが刀なんて持っていたのだ?」


名無しさんが近藤を睨みつけながら言う。

「あんたには関係ない事だ」


「話たくないか…」


仕方ない、まだ刀は傷が治るまでこちらで預かろうと言う近藤に意義はねえと言った土方。


名無しさんは密かに顔を歪めた。
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