華空小説=モノクロ
□ゲンザイ
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右目が見えない。
正確に言えば見えないものと見えるものの2種類がある。
それが今の私の現状だ。
理由?そんなものは知らない。
時折、激痛が走る。
右目を小さな蟲達が食い貪る様な気がしてならない。
授業なんてものに身が入らないし、やる気も出ない。
当たり前だと言えば当たり前で、おかしいと言えばおかしい。
全てが見えないなら病気だと言ってしまえばそれでいいのだがそうもいかない。
私の右目に映るのは『生きている証』。
動物なら心臓。草花や蟲と言ったものは色のある靄みたいのがかかっている。
私の幻覚と言うのも一理ある。
しかしながら妙にリアルだ。
一応、医者には見せた方がいいのだろうか?
何が見えるかは言っても信じてはくれないはずだ…いや、絶対に信じない。