02/29の日記
00:50
感傷に浸るなんてお前らしくない(小ネタ)
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「卒業式だね」
行儀悪く机の上に腰掛けボクに話しかけてきた。彼女は、高校に入学してから出来た友達ですごく頼りになる人だ。
実際、まだお互いを理解し合えなかった頃の城之内君と本田君を諫めたり、引っ込み思案なボクに助け舟を出してくれた。
「そうだね…」
夕日が傾く様を見詰め、無意識に胸に手を当てる。もうそこには逆三角形の首飾りが無いのに、もう一人の自分を求めていた。あるべき場所に行ってしまったもう一人の自分の存在は、とても大きかった。
大きかった存在が突然いなくなってから、もっと仲間の大切さが身に染みた。
「それぞれみんな、自分の道を歩いて行くからね」
「やっぱり、さみしい?遊戯」
「さみしくない…って言えば嘘になる。でも、卒業してもこの先バラバラになっても、繋がっているからさみしくないよ」
弱虫で引っ込み思案だったボクを強くしてくれたもっと一人の自分。そんなボクを支えてくれた友達。こんなにもボク等は沢山の人と繋がっているんだ。だからボクは、さみしくない。そう思う。
「そっか…強くなったね」
にっこり笑う彼女を見て、ボクも笑う。
「色々あったな…この3年間」
「うん、あったね」
グルグルと駆け抜けていく思い出。
この3年間はきっと、ボクの長い様で短い人生の中で一番大切な記憶だ。
「感傷に浸るなんて、私らしく無いな」
ボソリ…そう呟いた言葉。
あぁ、そうだよ。
感傷に浸る事はボク達らしく無い。
この先、どんなにバラバラになっても、きっとどこかでボクらは繋がっている。
「カッコいい事言っちゃってー」
「でも、ボクはそう思ってるよ」
そうだね。と、彼女は笑って教室から出て行った。
「じゃ、また」
「またね」
別れの挨拶じゃなくてまた会おうとボクらは挨拶を交わして、お世話になった学び舎を出て行った。
3月に卒業なんだよ、私。
ぶっちゃけ、卒業したくないです。
部活のメンツと別れるのが嫌です。
本当にゆぎおの仲間みたいな雰囲気なメンツです。愛おしいですよ…ッ!!
みんな愛してるーっ!!
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