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□第6話
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 ―――――



「山崎さん、いきますよー?」

「いつでもいいよー!」




パコーン!とサーブが打たれた


うん、なかなか素質があるな。




ミントンの相手は新人の名前ちゃん

昨日入隊したばっかりで
なんといっても初の女隊士だ。


そんな訳で彼女の入隊した昨日、
屯所内は騒がしかった。


俺が昨日、屯所内を案内した後、
とっつぁんの長官命令で
名前ちゃんの隊服がスカートに
変わっていた。

隊士達は彼女を見ては
『若い!可愛い!』
そんな事ばかり言っていた。



確かに名前ちゃんは
若いし可愛い。

朝一で俺に挨拶する時なんて
にっこりと微笑む笑顔は
天使じゃないかと思う位だった。

だから俺は咄嗟にミントンの
打ち上いを誘っちゃった訳で…


それでも笑顔のまま
快く引き受けてくれた彼女は
とても優しい子なのだろう。




そしてもうひとつ
付け加えて言うならば

名前ちゃんは並の隊士よりも強い。



話によれば昨日、
名前ちゃんは初の見廻りで
攘夷志士に遭遇したらしい。

そして遭遇した志士全員を
見事検挙したとの事だ。


この時、副長が一緒に同行していたから
敵を逃がすなんて
あり得なかっただろうけど…、
それにしても凄い。



俺はまだ彼女の
実戦を見た事はないけど、

入隊試験の時の太刀筋を思い出しても
名前ちゃんはかなりの腕前だ。
そしてこれからもっと強くなる。



俺はそんな事を考えながら
ラリーを続けていた。しかし…




「山崎ィイー!!!
 朝からミントンやるな
 っつっただろォがァァ!」





どうやらミントンもここまで。


…鬼が、来てしまった



 

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