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□第1話
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人生は突然、急激に変化する。

私に告げられたのは解雇宣告だった。




「…ぶ、部長、冗談でしょ?
 冗談ですよね?」



あり得ない。
あり得なすぎて変な汗がでてきたよ
部長はセクハラしても根はいい人だよ!

面白くない冗談、言わないでほしい。




「冗談じゃないんだ。
 解雇理由はー…すまない。
 はっきりわからないんだ

 なんせ上からの命令でね
 どうにもならないんだよ。
 私も訳がわからなくて…」



部長はいつもの
ヘラヘラした様子ではない。


私は咄嗟に冗談なんかじゃない、
これは本気だと思った。



しかし私はこれといった
失敗はしていないし、
真面目に働いてたつもりだ。

い、いきなりクビって…




「そんなの納得できません!
 理由もなしにクビだなんて…
 私、無職になっちゃいます!
 プー太郎になっちゃいますうう!!」



そう言って部長の胸ぐらを掴んだ。




「お、落ち着きなさい!苗字くん!」



落ち着いてられるかっての!

自然と手に力がこもる。




「ちょ、ほんとに首
 締まるってェェエ!」



…部長は本当に理由を知らない
みたいだし、そろそろ手を
離してあげる事にした。




「ゲホッ!ゴホッ!!
 いっ、今から松平長官が
 苗字くんにお話があるそうだ。」



そこで私は思う。

こんな馬鹿げた事するのは
あのクソおやじしかいないと。



とっつぁんめ、
ちゃんと私が納得する理由を
言わなきゃぶん殴ってやる!!

そう決意して、とっつぁんがいる部屋へ
向かおうとした時だった





クスクス…

周りにいた女先輩方が
こっちを見て笑っているのが目についた。



…先輩たちは私がいなくなって
清々するんだろうな。

そう思うと少しだけ
頭に登った血が冷えた気がした。


 

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