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□第7話
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真選組に入って、数日が経った。
武装警察としての真選組の活動は、前の部署とは異なる仕事が多く、私は未だに慣れる事が出来ずにいる。
しかし江戸の街に潜む悪党はおちおち私を待ってはくれない。
今、真選組は大きな問題を抱えていた。
第7話
( 僕らが担ぐもの )
「先日、宇宙海賊"春雨"の一派と思われる船が沈没した。」
ある日の朝のミーティングでのこと。それは近藤さんから伝えられた。
――宇宙海賊"春雨"は宇宙で最大規模を誇る。
そんな海賊の船が沈没したとなるとその時、その現場で、何かしら事件が起こったに違いないのだ。
ごくり。
淡々とした口調で話す近藤さんの話に思わず私は息を飲んだ。
…なーんて、シリアスなリアクションをするのは屯所内で私だけかもしれない。
――ガヤガヤ―
近藤さんの話を遮る、隊士達のお喋り。
「しかも聞いて驚けコノヤロー。なんと奴らを壊滅させたのはたった二人の侍らしい。」
――ガヤガヤ―
近藤さんは話を続けるが、一体彼の話をまともに聞いている隊士はいるのだろうか。
「…何ですかコレ。」
思わず呟いた私だったが、局長である近藤さんの話を聞かず、喋り続ける隊士達はまるで井戸端会議をしているかのようだ。
「…驚くどころか誰も聞いてねーな」
そして乾いた声で呟く近藤さんは全く話を聞かない隊士達に対して最終手段をとろうとする。
「トシ。」
無言で立ち上がる副長さんの手にはバズーカ。
「苗字、お前は廊下に出てろ。」
「…ハイ。」
…ヤバい
危険を察知した私は素直に副長さんの命令に従う。
ドッカン!!!
そして間もなく、物凄い爆発音が屯所内に響いたのだった。