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□第5話
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…俺は後悔していた。
なんで名前ちゃんを最後まで案内してあげなかったんだろう。
時間が経っていることも忘れて、俺は一人で焦った結果、名前ちゃんをおいて自分の任務に行ってしまった。
ダサかったよね、俺…
第5話
( 長すぎた一日 )
―――――
「…沖田さん」
「なんでィ。」
「なんで私の部屋に沖田さんがいるんですか?」
…そう、ここは私の部屋だ。
それは間違いないのだが、初めて入るその襖を開けると、何故か既に寝そべっている沖田さんがいた。
なんで私の部屋でくつろいでるんですか!?
最初こそ驚いたが、相変わらずの沖田さんであったので、今は幾分呆れている。
しかし沖田さんはそんな私にため息を付いて話し出す。
「つれねーなァ、折角名前にとっつぁんからの郵便届けに来てやったのにねィ。」
「え?」
すると沖田さんは机の上に置いてある郵便物を指差した。
「とっつぁんが私に?」
「そうでさァ。」
その郵便物は少し大きめの小包で、
確かに
苗字名前 様
松平片栗粉より と、書いてあった。
でもとっつぁんとは家を出る前にお話したけど
郵便を送ったなんて一言も言って無かった。不思議に思ったけれど、
「ま、とりあえず開けてみなせェ。」
沖田さんがそう言うから私も中身を見てみる事にした。