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□第4話
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――私は真新しい隊服を着ている。
同じ警察やってても隊服を着るのは初めてだった。男性用のサイズしかないらしくちょっとブカブカだ。
「……えー、お前達も知ってる通り今日から新人が入る。…苗字名前ちゃんだ。」
そして近藤さんの言葉で私は大広間に入って行く。
「…どうも、始めまして。新人隊士の苗字名前です。…よろしくお願いします。」
そう言って一礼。
挨拶は至って普通だ。
凄く緊張しているから、気の利いた言葉なんて、出るはずもない。
それはさておき、初めて目にする真選組。
隊士の方々が生活している屯所にも、初めて足を踏み入れたわけで。
そしてこの朝会の場を借り、隊士の皆様にご挨拶するために、いまこの大勢の前に立っているが……、
やっぱりここは、独特の雰囲気をもつ。
わかってはいたけれど、ここは男所帯。そして目の前には、きっと今までたくさんの死線を越えてきたであろう沢山のお侍さん。
そんな方々に、私は無言で見つめられてる…。
それはちょっとした迫力があって、…ち、ちょっと怖い。
「――…か、可愛い…」
……一同が静まり変える中、よく聞き取れなかったけれど誰かが小さく言葉を発した。
その一声が合図のように…
オオ゛ォォオ―!!
ビクッ!「ひ…」