Long stories
□臨界の華々 1.花瞼が開くとき3
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「…っ、」
頭が、脚が腕が 体中が痛い
体の至る所が悲鳴を上げている
苦痛から 寝転んだ体勢のまま、体を縮こませる
ガサリ 枯れ葉の擦れる音
耳に響いたのは鳴るはずのない、そんな音
「…ん?」
枯れ葉?
無理やり目を開けば、一面に広がる色の薄れた渇いた葉
…おかしいな
確かに桜の季節は過ぎたけど、葉は青々と茂っていたはず
それに、ここまで肌寒いはずはない
「…どこだよ、ここ」
重たい頭にさらに重さが加わる
見渡すかぎり、見た覚えも来た覚えもない 森
落ち葉舞散る森の中、私はたった1人 寝転んでいた