Stories
□ラクガキと雨傘
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広々とした、物静かな空間
無駄に張り詰めていた受験は終わり、テストが近いわけでもないこんな時期
勉強してる影はまばら
大体、こんな時期まで勉強してる奴なんて早々いない
や、いるのか実際は…
勉強ができる場所は図書室の他に勉強専用の個室がある
ガリ勉どもはどうせそちらで必死に勉強しているのだろう
「課題はあらかた終わったしな…数学以外。」
大の数学嫌いな俺
前までは人並みに出来てはいたが、今はもう苦手教科でしかない
唯一、今でも人並み以上に出来る英語の点数を消し去るのはこの存在
どうしても数学が総合点を悪くする
テストが伸び悩む大きな原因だ
しょうがない、と腹を括り俺は課題の問題集に取り掛かった
「分っかんね。つかこんなのやった?」
ガリガリと、自毛で茶髪の頭を掻く
知らねーよ、こんなの
マジでやってらんねーよ
ゴンッ、と音をたてながら机に頭を押しつける