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□ラクガキと雨傘
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-1- 机とラクガキ



「このままじゃ奨学金危ういぞ」



学年が一つ上がる一歩手前、俺は衝撃的な問題を告げられた



「え…」


「和也、来年度は最初のテスト頑張んないとキツいぞ」



私立と言えど、秀才の集う私立聖秀学院

秀才の『秀』が入ってる時点で頭が良さそうだ

これは俺から見た第一印象、単純なのはスルー


俺がこの学院にどうにか奨学金付きで入学したところまでは良かった

俺は平均を生きる男だから、ガリ勉達の中でもまぁどうにかなるかと甘く考えていた


しかし、流石は秀才揃い

俺の順位は下がる下がる…

学年の300人中170位、と半分を切ってしまった


尚更、点数は平均を数点下回る結果



「ま、自業自得だな…」



努力もしなけりゃ焦りもしない

流石に奨学金剥奪はまずいから、今回は別だけど



「図書室、行くか…」



バイトに行くにはまだ早い時間

渋々図書室へと足を向けた





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