Long stories
□臨界の華々 1.花瞼が開くとき6
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「な、なんてことするのよ!!」
悲鳴に近い、上ずった声で叫ぶ
遠くにいた男が一瞬にして目の前に現れ、私は目を見開いた
何なの、こいつ
人間離れした俊敏さ
おかしな服装
こんな非日常、私は知らない
「さて、少年は確保しました。貴女は…」
「判決、どうする?」
「私達ではどうしようもないですが…椿様にお見せする価値はあります。命にはありませんが、連れ帰ります」
男の言葉を合図にしたように、女の子が真後ろに回っていた
「おやすみ、またね」
鈍く響いた音と痛み
頬に枯れ葉が触れた事を最後に、意識が途絶えた
→あとがき