Mein Schatz

□天使になっちゃった
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なんでかな
一緒にいると
少し悲しい気持ちになっちゃうんだよ



それは、別れるのを想定してるから?

元親とベッドの上で微睡(まどろ)みながら、そんな事を考える。

「ねぇ、元親ぁ」
「何だ?」
「もしもさぁ、私が天使になっちゃったらどうする?」

そう、くっついてたら、うぶ毛が羽根になっちゃうんだって。
そして、天使になるの。

元親は「難しい質問だな」と困ったように笑った。


「じゃぁ、助け船あげるよ。
天使って何する感じ?」
「あー…あれだろ?
神さんの命令聞いたりすんだろ」
「…それだけじゃないもん」

少し頬を膨らませて元親の胸に顔を埋める。



「…そうだなァ、人を守ったりすんじゃねえか?」
「そう、それっ!」
埋めた胸から顔をあげ、がばっと勢いよく元親の顔を見る。

「おめぇが天使になったらよ、俺を守ってくれや」
「……言うと思った」

はぁー、と再び元親の胸へ顔を埋める。



私は、守るんじゃないの。
何があったって、どんなになったって、我が儘だろうが守らないわ。
元親がレスキュー隊に見放されたとしても。
私は、元親に守られたい。


「私、元親に守られたいの」
「守ってんじゃねぇか」
「だから、天使になったら元親を守んなきゃいけなくなるけど、それでも、守られたいの」
「そうかよ」


元親からは甘い匂いがする。
今日買った毛布の匂いだ。
現に私が今くるまっている毛布は甘い匂いがする。




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