中編

□心許り
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走る激痛に眉を寄せ、いたた、と軽く声を発する。多少は慣れた痛みだが、やはり多少は多少。痛いもんは痛い。ここ大事だぞてめーら。テストに出すかんな。



誰か分からぬ相手と心でおしゃべりしながら、またの激痛に歯を食い縛る。あー、現実逃避をしても、結局痛みで戻される。



ぶっちゃけ、手当て中である。辰馬に、背中の風穴が空いた腹を見て手当てしてもらっている。かなり痛い。



ま、ホント言うと、手当ての痛みで現実逃避しているのではない。この部屋の、重々しい空気に耐えきれず、だ。



俺の背後で新八、神楽、桂、辰馬、そして真選組とお馴染みのメンバーに、高杉。コイツが重々しい空気の根源である。



「あーいただっ!辰馬ァ!テメーわざとやってんだろ!」


「そんなことなかよ」


「テメーいつか絶対ェ髪むしりとってやっからな!」



俺のセリフの後に、辰馬がいつものように高笑いをする。そこでハタと頭を過った。わざとだ。わざとやっている。
この重々しい空気を変えようとわざとやっていた。



器用のような不器用のような。辰馬に思わず苦笑すると、苦笑で返された。――だが、この重々しい空気が変わる気配は無い。










「銀時ィ。……俺は元々テメーが気に食わなかった」
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