中編

□鈍く分かりづらい光
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清々しい爽やかな風が吹く、そんな朝。パァンッと、乾いた音が道場に激しく響き渡っていた。


「バーカ、甘ェ甘ェ。
天津甘栗より甘ェっつの。

次にどんな甘さまでたどり着くつもりですかー?」


「うるさいわっ!黙ってろ天パ!」


「…天パの何がワリーんだゴラァ!!!」


此処は、真選組屯所の道場。

真選組からの依頼があって、朝早くから手合わせを土方と行っていた。


竹刀を片手に、銀時が方眉を器用に上げ、膝をつき肩で息をついている土方を馬鹿にしたように言葉をならべ見下ろせば額に青筋を浮かべ即座に返し、その言葉に若干傷ついた銀時も負けじと言い返した。


「まあまあ、トシ。手合わせして貰ってるんだからな?

ああ、万事屋、今日はここまででいい。お疲れさん。

俺たちはこれから松平のとっつぁんから江戸城用事があるから、ゆっくり屯所で休んでいてくれ。」


「江戸城?」


怒る土方を陽気な笑みを浮かべた近藤が宥め、銀時にそういう。それはどういう事だと言わんばかりに銀時は聞き返した。


「ちょっとお偉いさんから呼びだされてやしてねィ
ま、旦那が気にする事でもねーでさァ。」


「そーかい。

んじゃ、近藤の言葉に甘えさしてもらいますかいねぇ」


観戦してにやけていた沖田が加わり、銀時から竹刀を受け取り告げる。銀時はあー、怠かったと言わんばかりに伸びをしてそう言った。





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