Novel
□Trick or Treat!
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事件は、スマイルのヒトコトから始まった。
「とりっく ぉぁ とりぃとーっ!」
だぶだぶの服を着て、犬っぽい耳と尻尾を揺らしながらスマイルは、ジズにそう叫んだ。
「…す…スマ君…お菓子…まだ用意出来てないのですガ…」
ジズはじりじりと後退して、逃げようとするが、にたりと笑ったスマは其れを赦さない。
「お菓子くれないんなら……悪戯するのーっv」
スマはにたりとした笑みを崩さずに……………
ジズの屋敷に、主の悲鳴が轟いた。
「さーて。次は誰に悪戯しようかなっ♪」
とか云いつつ、上機嫌のスマイルはユーリ城へと向かう―――。