甘いし苦い話

□綺麗なほどに狂おしい愛
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「隼人…」
「ん?」
「好きだよ…」
「…そっか。」


背中越しに感じる雲雀の体温。


周りは血だらけで倒れた敵対マフィア達しかいない。


息の根がしないところからすると、もう死んでるだろう…


そんな中で浮かれた会話を交わす俺達。


「…もう、10年か…」
「結構長かったな…」
「君と出会ってからも、この下らないマフィアごっこに付き合ってからも、10年がたったんだ…」
「…だな。」
「なんか、嬉しいよ…」
「?」
「君とまだこうしていられるなんて…」
「あほらし…」
「ねえ、隼人…」
「ん…」


口を塞がれた、雲雀の唇で。


この状況じゃなかったら、即抵抗しただろう…


俺は全てを受け入れた。


雲雀もいつもと様子が違うと気付くとすぐに行動を示した。


「んっ…」


雲雀の舌が口に進入してきた。


「ぅう…ん…」


力が入らなくなる。


完全に覚醒した。


ここが戦場だなんて思えないほど、艶っぽい声が響く。


スルッ


スーツから覗く俺の肌の突起を軽くつまむ。


「ん…はぁ…」


口が離された。


艶っぽく唾液が舌を伝う。


「ここでヤるのもいいかもね。」
「…帰るぞ、十代目がお待ちになってらっしゃる。」
「え…ちょ…続きは?」
「帰ってからな。」


狂ってるのは分かってる。


でも…それでも…


俺は、雲雀が好きらしい。





とても純愛とはいえないがな…





雲雀に抱きしめられながらうっすらと笑った。


「愛してるよ隼人。」
「…ああ、俺もな…。」



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