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□ギフトーその後ー(※R18)
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「ごくでら、俺のこと好き?」



首筋に口づけながら言うと、獄寺は俺の背中に手をまわした。

「・・・・・・・3カ月間気が狂いそうだった。もうあんな思いしたくねぇ・・・・」
「獄寺・・・・・・ごめん、ごめんな」
「いいからもう謝んな。俺はこの数カ月間のこともう忘れるって決めた。だからてめぇもこれから一切このこと口にすんな。ただ・・・・・・約束しろ。もう絶対浮気なんかすんじゃねぇ。絶対だ」

真っ直ぐと曇りのない緑色の瞳が、俺の視線を反らさずに訴えかけてくる。一層濃く見えたその瞳の奥に、言葉では言い表せないような感情が渦巻いていることを俺は知っていた。獄寺はどんな時だってそうだ。『それくらい察しろよ』と言っているみたい。



「獄寺が一番好き。獄寺じゃないとやっぱ俺無理。好き。世界でいちばん好き」
「その言い方がまず信用できねぇんだよ。なんだよ世界って。馬鹿じゃねぇの」

そう言って獄寺が笑顔になったから、胸の奥が何かに掴まれたみたいにきゅうって締めつけられた。愛しい。獄寺が愛しくてたまらない。男相手に『愛しい』だなんてセリフ口にしたら、きっと獄寺に馬鹿にされるんだろうけど。







全神経を獄寺の身体に集中させる。下着をずり下げて、固くなった獄寺の下肢をゆるゆると手で扱き、口の奥へ含んだ。

「あっ、っ・・・・んんっ・・・」

頭上で獄寺の喘ぐ声が聞こえると、ぞくぞくと自分の腰が震えだした。もっと、もっと獄寺を気持ちよくさせてあげたい。

「獄寺、手どけて。声抑えなくていいから。ね、気持ちいい?」

口元を隠そうとする手を掴んで、片方の手で獄寺の昂りを擦る。

「獄寺声聞かせて。何かして欲しいことあったら言って」
「んっ・・・・、はぁ、きもちいい、てか、もうっ・・・・でるっ、」

俺の頭をぐいっと押しのけたと同時に、獄寺の腰がびくびくと震えて、ぬるりとした大量の液体が腹の上に放出された。獄寺は枕を抱きしめた状態で、はぁはぁと声にならない吐息を漏らした。

(獄寺よっぽど溜ってたんだ。すげぇ量・・・・)

「なぁ、俺としてない間ちゃんと抜いてた?」
「当たり前だろっ。身体がおかしくなるわ」
「何見て抜いてたの?エロビ?雑誌?」
「なんでそんなこといちいちお前に言わなきゃなんねぇんだよ、ほんとデリカシーねぇなてめぇは!!」

獄寺は顔を真っ赤にして俺に向かって枕を投げつけた。


獄寺の発する言葉や態度がいちいち可愛くてたまらない。俺の恋人はこんなにかわいいんだぜ!!って世界中のひとに自慢したいくらい。


「獄寺、俺も気持ちよくなりたい」

手元のローションを手の平につけて獄寺の下部へと滑らせる。粘膜の感じやすい部分に指先を押しこんで獄寺が気持ちよくなるまで弄る。



「挿れてもいい?大丈夫?」
言葉なしにコクコクと頷く獄寺の反応を確認してから、ベルトを外してズボンと下着を下ろし、挿入する前からびくびくと奮え立った自分自身の昂りを獄寺の奥へとねじ込んだ。何カ月かぶりに体感する獄寺の中はすでにもう熱くて、踏みこんだ瞬間に達してしまうんじゃないかと思うくらい俺は興奮していた。
ゆるゆると腰を動かすたびに今すぐにでもイキそう。それをぐっと耐えてゆっくりと抜き差しを繰り返した。

「あ、あっ、やまもとっ・・・・は、・・・っ、あっ・・・」
「はぁ、はぁ、ごくでらぁ、好き、好き、」

気持ちよすぎて気のきいた言葉が出てこない。ただひたすら獄寺の名前を呼びながら、膨らんでいく昂りを必死に我慢しながら腰を動かした。逃げ腰の獄寺の腰を掴んで、ベッドからずり落ちるような状態のまま速度を上げて突き上げていく。


「やま、もと、やっ・・・・、はやっい、もっとゆっくり、はぁ、はぁ・・・」
「無理っ・・・・だめ、とまんねぇ、ごめん、もうちょっと我慢してて」

ベッドから半分落ちかけていた獄寺の左肩を掴んで引き戻す。

「獄寺、もっと足開けて」


駄目だ。もう我慢できない。限界がきそう。必死に耐えていたものが音をたてて崩れていくと同時に何も考えられなくなって、激しく腰を上下に揺さぶった。どこから出すんだと思うくらい甘い獄寺の声と、ギシギシとベッドの軋む音が同調する。獄寺とこのままひとつになったまま死ねたらどれだけ幸せだろう。もういっそのこと死んでもかまわない。でも、冷静に考えるとこんな繋がったままの状態で死んでしまったらすげぇかっこ悪い。そんなことを考えていると、思わず吹きだしそうになる口元を慌ててぐっと噤んだ。

もう外に飛び出したいと言わんばかりに膨張しきった下肢を獄寺がギュウギュウと吸いあげる。獄寺とこのままひとつになりたい。ぐちゃぐちゃに溶けてひとつになってしまいたい。


(ごくでら、ごくでらっ・・・)

「・・・・あっ、あっ、・・・・・っぁ、や、やまもとっ、っ、はぁっ、」


(やばい。気持ちよすぎる、俺、もう)

隙間がないくらいに重なり合った下部を、息をつく暇もないくらいに速度をあげて突き上げる。獄寺の中がきゅうっと熱くなったかと思うと、眩暈が起きるような、何とも言えない感覚に陥る。その瞬間びくびくと腰が震えて俺は絶頂に達した。









「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・」

倒れこむように獄寺の背中に頭を埋めて重なったまま、荒ぶる息を整える。汗ばんだ獄寺の背中から甘い香りが漂ってまた眩暈を起こしそうになった。



獄寺が好き。獄寺が好き。獄寺が好き。獄寺が好き。


好き、好き、好き、好き。



何度思ったって、何度口にしたって足りない。言いつくせない。この感情の矛先をどこに落ちつけたらいいのか分からない。獄寺にぶつけたところで、きっと「ばかじゃねーの」ってたしなめられるに決まっている。でも、大馬鹿だって言われてもこればかりは仕方ないんだ。たった一度の過ちだといっても、獄寺を自ら手放したことを今は死ぬほど後悔してる。見失っていたものの存在が大きすぎたことに今更になって気付く。獄寺にならこれから先どんなに罵られたって構わない。



俺は獄寺をちゃんと愛せているんだろうか?


前に一度獄寺に似たような質問をしたことがある。ずっと、ずっと前に。すると獄寺はハッと鼻で笑った。


「おまえはそのままでいいんだよ」

今でもそう言ってくれんの?こんなどうしようもない俺でも、獄寺はそう言ってくれんの?与えているようで与えられている。追いかけているようでそこで待っていてくれている。獄寺はいつだって俺にとってそんなイメージなんだ。

「あのなぁ、足りない頭で色々小難しいこと考えんなっつの。与えるとか与えられるとか、好きってのはなぁそんなんじゃねぇんだよ。俺はちゃんと隣にいるから、おまえは何も考えないで前向いてりゃいいんだ。分かったか?」

ちょっと会えないだけで痩せ細っていく獄寺に言われたくないよって言うと、軽く小突かれた。

獄寺はそう言うけど、与えてくれたものはどんな高価なものよりも比べ物にならない。誕生日なのにまるで俺が何か貰ったような気分になる。だから、せめて言わせてくれよ。




獄寺、ありがとう。俺といてくれてありがとう。






end
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