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□2010武誕(完結)
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朝からなんだかソワソワして山本と目が合うと露骨に避けるような、そんな誰から見てもおかしな態度を俺はとっていた。




バチッと目と目が合うと、山本は「ん?どうした?」って言いたそうな表情で首を傾げる。そういう惚けたような山本の態度がやけに鼻につくのは、明日がコイツの誕生日で、クラスの女子共の浮足立ってるような空気がそこいらじゅうに蔓延しているからかもしれない。




(別に、山本の誕生日なんて知りたくなんかなかったのによ・・・)


今日の今日までアイツの誕生日が4月24日だなんて知らなかった。なのに、さっき廊下でぺちゃくちゃうるせぇ女子共の会話で山本の名前が出て思わず聞き耳立てたら


『明日山本くんの誕生日何あげるのー??』


ってさ。


俺としたことが不覚すぎる。誕生日前日に知ってしまうなんて、なんてタイミングの悪い。べつに山本の誕生日なんてどうでもいいんだが、知っているのに知らないフリをするのは・・・・これが意外と難しい。だからといって特に何を用意しているわけでもないから困る。



それにしても付き合ってもうすぐ1年が経つというのに、付き合ってるやつの誕生日を知らないというのは一般的にどうなんだろうか。やっぱおかしいんだろうか・・・・。




・・・・・だってアイツ自分からそういうこと一切口にしてこないんだ。男同士の会話で『お前の誕生日いつなんだ?』って聞き合いすんのもなんだか気持ち悪いだろう?でも、そういや山本は俺の誕生日ちゃんと覚えてやがったな。遊園地やら夜景やら、なんだかアイツやたらとはりきっててさ。なかば無理やり色んなところ連れてかれて、途中言い合いになったっけ・・・・。




(・・・・ん?)


あいつは・・・・山本は何で俺の誕生日知ってたんだ?十代目にでさえ教えていないってのに。そう考えているうちに、山本に強引に連れて行かれた色んな場所での馬鹿みたいなやり取りを思い出して、少し笑ってしまった。
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