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□and I love You(完結)
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ずっと傍にいて欲しいだなんて、ずっと傍にいる保障なんてどこにもないのに。
だからほんのささやかなことが俺にとってはすごい幸せに思えた。だけど、その僅かな希望が一気に崩れる。
きっと俺は、今にも消えそうな細い紐を無理やりたぐり寄せて、紡ぎ合わせて、なんとか繋がっているようなそんな頼りないモノを必死に護っていたんだと思う。
別に報われなくたっていい。叶わなくたっていい。
この関係を崩したくない。どんな関係だって、ギリギリの線の上で繋がってたらそれでいいって本気でそう思っていた。
山本のことが好きだと気付いたのは何がキッカケだったんだろう。今ではちゃんと思い出せない。
そんな不確かで間違った感情なんか、正直言って面倒なだけで、そもそも何でよりにもよって山本なんだ・・・って、意味が分からないって、自分のことなのにマジで理解が出来なかった。
でも気付いた時にはもう遅くて。
『待ってくれよ』って言って止められる気持ちなら良かったのに、現実はそう願うようにはいかない。
山本のことが好きだと気付いたその瞬間に、俺はその気持ちにフタを閉めた。忘れるように心のずっと奥の方へしまいこんだ。
どうせ叶うはずないんだから、それならいっそ始めから何もなかったことにすればいい。
感情なんて面倒くせーもん俺にはいらない。信じられるのは十代目だけだ。山本なんて好きじゃない。好きじゃない。好きじゃない。
今まで何度そう自分に言い聞かせただろう。
必死だった。忘れようと俺だって必死だったんだ。
それなのにどうしてこうなるんだ。