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□009クリスマス
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もうすぐクリスマス。
ちょっと歩くと耳に入ってくるのはクリスマスソング。どこもかしこもクリスマス一色。
学校でもみんなの話題はもっぱらクリスマス。
クリスマス、クリスマス、クリスマス・・・・。
はっきり言って俺はクリスマスにさほど興味がない。小さい頃からずっとそれは変わらない。
クリスマスの日には決まって誰かがプレゼントをくれた。クラスの女子や、部活のマネージャー、顔も名前も知らない子から贈られたこともあったっけ。
「サンキューな!」
贈り物をくれた女子には笑顔でそう告げる。でも正直ありがたくもなんともなかった。べつに調子に乗ってるわけでも天狗になってるわけでもない。
ただ、本当に「クリスマス」って行事が俺にとってさほど重要な行事ではなかったんだ。
あいつに出会うまでは。