姫川悠
□通知表【姫川悠】
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どおぉ っ しよう
真っ白だわ。
明日終業式なのに
渡す通知表が書けない……
どうして
所見欄なんてあるの
［所見欄は
生活の中で
注意すべきところはサラリと洩らさず注意して
良いところは励まして
ヤル気を喚起するんです］
って学年主任は言うけど
もう 訳分かんない。
わたしには無理〜
『オイっ開けろっ！！』
ドンドンドン！
やめてー
ドア壊れちゃう！
乱暴なノックの主は分かってる
「姫川君〜。今君の相手をしてる場合じゃないんだって〜」
仕方なくカギを開ける。
ガチャ
『食え！！
どーせ夕飯食ってねーんだろ
どんくっせーなー
まったく！！
ハルカスペシャル
片手で食えるようにしてきたぞ
仕事しながら食え！』
開けてみると
おにぎり
肉団子
プチトマト
ブロッコリ
ウサギリンゴ
………
品数大目で
量少なめ
食べやすくって
栄養満点
みたいな？
『どうよっ』
「どうしよう……
感激しちゃった」
思わず本音
でちゃったよ
『ったりめーよ
お礼に
俺の通知表
良く書いとけよっ
それからこれは
出前代だっ』
姫川君はそう言うと
ギュウっと私を抱き締め
呆然としているわたしを離して
『抱き心地わりーぞガリガリ
もっと食えっ』
って悪態をついて
走って行ってしまった。
プチトマトみたいに
真っ赤な顔をして
………………fin