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□見える世界は
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可愛い可愛い女の子が居ました。
可愛い女の子は、醜い女に呪われてしまった。
「あんたは人の顔を見ると死ぬんだよ!!!」
ゲラゲラ笑った女は私が殺した。
私の部屋で死んだそれは、紅い液体をドクドクと流しばらばらに散らばっている。
顔は念入りに目を瞑りながら潰した。
自分だって命は惜しい物。
相手の顔を見なければいいのだ。
そう言って顔を潰した。
塊を片付けるには外へ行かなければならない。
だが、外にはたくさんの人がいる。
あぁ、私はこの部屋に一生居ろということなのね。
なってしまったのは仕方がない。
魔法を使えばここからでもいくらでも食料は買えるし、この部屋には必要な物が全てそろっているのだからと、何年も何年も過ごしてきた。
散らばった塊はいつの間にか蠅がたかり蛆は湧かなかったが、何処かへ消えてしまった。
ただ、紅い液体の後は絨毯に残ってしまった。