企画部屋

□今日も海は平和です
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※注意!※


・蛇姫は欠席です。すみません。どう絡ませればいいか分からなかったんだ……!!
・ドフラミンゴとミホークがただのアホの子。
・意外な人落ち。
・マイナー万歳だぜ!!って方はひあうぃーごー!!








 王下七武海という地位がある。

 偉大なる航路でも悪名高く強い海賊が世界政府により政府公認の海賊とされ、掠奪という非道徳な行為すら正当化される、そんな存在。

 そんな大層な海賊なだけあって一人として協調性のある者などいない。

 灰汁の強い強者揃いであり、決して仲良しこよしごっこをしている訳ではない。

 「おい鰐野郎、お前、いつんなったらおれの嫁になるんだよ」

 「ふざけんなアホミンゴ誰がてめぇの嫁になんてなるかクソ野郎」

 「そうだぞドフラミンゴ、クロコダイルはおれの嫁になるんだ」

 「黙れ鷹の目」

 ――しかし現在、その和気藹々だとか協調性だという単語には程遠い筈の男達が6人で一つのテーブルを囲んでティータイムを楽しんでいた。

 正確に言うと一人は満面に笑みを浮かべて、一人は笑顔の男に殺意を向けて、一人は不機嫌そのものの表情で、一人は我関せずに聖書を捲って、残り二人は完全に傍観者の体で。

 「まずクロコダイルは男だから嫁にはなれんと思うんじゃが」

 彼らの中では比較的常識人に相当するだろうジンベエは巻き込まれたくない、という気持ちとクロコダイルが気の毒だ、という気持ちが競り合っていたのだろうがお人よしの性格ゆえかそう軽く突っ込みを入れる。

 するとくまがため息ながらに口を開く。

 「巻き込まれたくなければ黙っていた方が」

 賢明だ、というくまの言葉は勢いよく笑い出したドフラミンゴの声に掻き消される。

 「なぁに言ってんだよジンベエ!鰐野郎はそんじょそこいらの女より可愛いぜ!んでもってエロい!」

 「黙れ阿呆鳥」

 「せめて妖艶と言え」

 「てめぇも黙れ阿呆鳥その二」

 クロコダイルはもう怒鳴る気力も失ったらしく眉間の皺を解しながら静かにしかしきつい声音で馬鹿二人をそう窘めた。

 「鰐野郎、冷たぁい。ああ、それともあれか?今流行りのツンデレって奴か?」

 「……ツンドラの親戚か?クロコダイルは氷ではないと思うが」

 「なぁに言ってんだよ鷹の目!ツンデレってのは普段はツンツンと冷たいくせに二人っきりになったりすると急にデレてくるってこった。つまりクロコダイルそのものなんだよ!」

 コーヒーカップを唇につけたままにたりと笑って言うドフラミンゴとカップをソーサーに置いたまま手をつけようともせずどこかズレたことを言うミホーク。

 とりあえず馬鹿なことをほざいたピンクの怪鳥を黙らせようとクロコダイルは口を開いた。

 「本気でそろそろ黙れよ馬鹿ピンク」

 すると思案するように顎を指でさすっていたミホークがぼそりと呟いた。

 「……ツンデレ……確かにそうかもしれない」

 「おいっ!」

 好き勝手にボケ倒す二人にクロコダイルの中の堪忍袋の尾がぶちりと大きな音を立てて切断された。

 事態を静観していたモリアは思う。

 本当はてめぇら仲良いんじゃねぇか、と。

 クロコダイルが嫌がってんのは目に見えてるけどよぉ、鳥類二人は気ぃ合いすぎだろ、と。

 しかし二人が意気投合するのはクロコダイルという一人の男を取り合う時だけであり、結局は火花を散らし合っているので仲が良いというのは間違いだろう。

 そんなことをつらつらと考えているとモリアの耳に「砂嵐!」と叫ぶクロコダイルの声が聞こえた。

 視線をそちらにやると肩を怒らせて自分の方に歩いてくるクロコダイルと砂塗れになったドフラミンゴにミホークの姿。

 勿論コーヒーやら紅茶やらのカップの中も砂だらけだし折角の甘いケーキも台なしだ。

 まだケーキ食ってなかったのによぉ、と溜め息を吐き出すモリアの腕をクロコダイルの右手が引っ張った。

 「ん?」

 「気分悪ィから飲み直す。てめぇも付き合え」

 ぶっきらぼうにそう言うクロコダイルにモリアは珍しく苦笑というものを浮かべる。

 「キシシ、おれかよ」

 「嫌なら別に構わねぇが?」

 そう言って口の端を上げるクロコダイルにモリアは思う。

 成る程これがツンデレか。



 「……なにあれ」

 「……なぜモリアと……?」

 「………さぁのぉ?」

 (このコーヒー、美味いな)

 三人はぽかんとした表情で二人の姿を見送り、騒がしいティータイムを通して表情一つ変えなかった男はコーヒーを啜りながら聖書の貢を捲った。



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