ONEPIECE

□痣
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 じんじんと何かを訴えかけるように腕が痛む。

 他の部位はとっくに痛みが引いたと言うのに、ここだけは引いてくれない。

 戯れのように、痛む箇所に唇を寄せた。

 青い痣を作った元凶は背後からのしかかった。

 「なになに、そんなに痛ぇ?」

 「まぁな」

 嘘をついても仕方が無い、とクロコダイルは溜め息ながらに言った。

 するとドフラミンゴは楽しそうに笑って、青痣のついた左腕を掴むと力を入れる。

 眉根を寄せるクロコダイルの額に唇を寄せて呟いた。

 「治すなよ?

  これは印だからな」

 フッフッと不気味にドフラミンゴは笑う。

 「何のだよ」

 「クロコはおれのもんって印ー」

 痛みというのは思考の片隅を常に占める。

 まるでこの男の様だ。

 いくら拒絶しようが、いくら他のことに集中しようが、意識の深層から自然に沸き上がる。

 そしていつの間にかそこにあることが自然になる。

 「誰がてめぇのもんだって?」

 そう悪態をつくと、クロコダイルは右手をドフラミンゴの頭に回して短髪を掴んだ。

 このまま髪の数本でも抜いてやったらこいつはどんな反応を返すだろうか。

 頭の片隅でそんなことを考えた。

 「まぁまずは身体から」

 そう言うと、ドフラミンゴはクロコダイルの身体を組み伏せる。

 スカーフを解いて首筋に唇を寄せた。

 痣が印と言うのなら、時が移ろえばそれも消えよう。

 ならそれまでの戯れか。

 「……変態野郎」

 クロコダイルはそう呟くと諦めた様に瞼を下ろした。



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