オリジナル

赤と黒
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ガロンは辺りを見渡す。
とても頑丈そうに出来た家の作りにホッと一安心し、ガロン一人外へと向かった。
「ガロン!!」
「……俺はばあちゃんにお前を守るように言われた。 あの時、無理に連れ出してれば良かったとお前に会うまで後悔してた。……苦しくって仕方がなかった。」
ガロンはドアを閉めようとドアのノブを持つ。
「ガロン……」
「俺は昔助けてくれたばあちゃんとの恩を今此処で返す。俺は守られるんじゃない。お前を守るんだ。……クレア」
閉まるドアが一瞬止まる。
「クッキーありがとうな」
ドアが閉まった。クレアはドアの方へ向かい開けようとする。だが外からガロンがそれを阻止する。
「ガロン!! ガロン!!」
ドアが閉まる瞬間、クレアは在る光景が見えていた。

狼が群で此方に近づいていた事を……

ガロンは一人であの大群に挑むつもりなのだろうか?
クレアは不安で仕方がなかった。
数分後、多数の狼が鳴らす足音は次第に地面を響かせ迫りクレア達の家に体当たりを仕掛けてきた。
その衝撃が家に伝う。よろめくクレア。
外から多数の狼が吼える声が聞こえた。

ドアを再び開けようと試みるクレアだが、やはりビクともしなかった。
クレアは何か思いついたのか、自分の部屋に行き愛用のライフル銃を持ち出し獲物が狙える屋上へ向かった。

屋上のドアを開け放し、狙える場所へと急ぐ。

柵越しに下を見ると、ガロンが一人で戦っているのを見つけ出した。
「ガロン……」
ボロボロになりながら戦う彼にやや少し疲れが見えてきていた。
クレアは援護しようと屋上から狼達を狙い引き金を引いた。

数発の銃発音が鳴ったと思いきやガロンの周辺にいた狼がバタバタと倒れて始めた。
「?!」
ガロンは驚き、放たれた位置を確認するとそこにはさっきまで温和しかった彼女とは思えないほど勇ましい彼女がそこにはいた。
「クレア!!」
「ガロン! 余所見しないで!」
「お、おう!」
ガロンが一体倒す事にクレアはガロンに取り囲む狼達を蹴散らしていった。

次々に倒れていく狼。最後の一匹をガロンが蹴散らした。
その途端、緊張の糸が切れたのかその場で膝をおとし倒れた。クレアは急いで、彼のもとへ向かう。



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