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そのお礼といってはクソですがいつぞやの馴れ初め話をどうぞ。←




@キリンさんとの馴れ初め話!



お母さんが夜ご飯の用意をしているさいちゅう、ちかはゆきちゃんのお部屋でお手玉をして遊んでた。

赤色と黄色のお手玉をいち、にい、さん、って投げるけど、お手玉がちゃんとちかのお手てに戻ってこないからつまらなくって、すぐに飽きちゃった。




お手玉をぎゅっと握ったら、しゃりしゃり音がした。

…あ、ちか、そういえばお手玉のほんとうの遊び方しらないや。

お昼寝しかすることがなくてつまらなかった時に、女中さん(…メイドさんみたいな人)からもらったおもちゃだったけど、…いいや。

少しだけ嫌になって、お手玉を二つともポイと投げたら、おそとに飛んでいっちゃって、何処かから、「いてっ」って声が聞こえた。

「?」

「おいコラこのお手玉投げた奴ァ誰だ」

えんがわ、に男の人がにょきっと生えた。
お母さんみたいなお洋服を着て、首に尖った歯の二つ付いたネックレスを付けている男の人は、なんだかとっても怒ってる。
どうしたのかな?

「え?そのお手玉を持ってたのはちかだけど…」

「あ?ちかってぇと最近できた頭の義娘か?」

「おかあさん?」

「お前、本当に頭のことお母さんって呼んでんのかよ…たいした奴だぜ」

「かしら…ってなに?」

「あー?一々説明すんの面倒だな…、メシの仕度が済んだオカアサンに聞けな」


あ゙〜、どっこいしょ、と言っておじ、おにいさんはえんがわに勢いよく座った。


「…なんでお前は幸村様の部屋にいんだ?」

「おかあさんがゆきちゃんのお部屋で遊んでてねって言ったからだよ?」

「ゆきちゃ…幸村様か…そ「あっ、ちか、おにいさんのお名前知らない!お名前、なんていうの?」………霧隠才蔵だよ」

「きり…きり、なに?」

あんまりよく分からなかったから、もう一回言ってくれないかなあ…

「俺の言葉遮ってまで尋ねた名前を聞き取れなかったたぁ…どういう…あぁくそ、…いいか?良く聞けよ」

おにいさんは人差し指でちかのおでこをぶすっと押した。
それから小さくため息を吐いて、しかたねえなあっていうお顔で教えてくれた。


「き、り、が、く、れ、さ、い、ぞ、う」


今度はゆっくりと聞き取りやすいように言ってくれた。
でも、長い…

「き、り、が、く、れ、さ、い、ぞ、う、さん?」

「おうよ。覚えたか?」

「うん!き、り、が、……ぞ、う、さんでしょ!覚えた!」

「違う」

「お名前ながいよー…」

ごろんって大の字に寝転がって、てんじょうを見た。
変なもようをじっと見てたら、なんかお顔に見えてきた。

…きもちわるいなあ…。


てんじょうから、きり、きり……きりさん(仮)の方に向いて、頭にまいてある白色の手ぬぐいを見ていたら、ちかのお腹からぐうって音がした。


「お腹鳴っちゃった…」

きりさん(仮)に笑われちゃうかな…

ちょっとだけ恥ずかしい。
お腹にお手てをあてて、ぽそりと小さな声で言ったら、きりさん(仮)が立った。



寝転がってるちかからみるときりさん(仮)はとっても高い。
ちかがいっしょうけんめい背伸びしてもとどかない。
お母さんより高いきがする。

はー。おっきいなー…



「…暇なんならオカアサンんとこ行くか?」

「…いくっ!」

大きな声できりさん(仮)にお返事したら、ひょいって抱っこされて、かたぐるまをしてくれた。

うわあ、地面がとっても下にある!
ちょっと怖くなってきりさん(仮)の髪の毛をぎゅっと掴んだら、頭をぽんぽんってなでてくれた。

ちょっとだけして少しだけ怖いのがとれたから、髪の毛を離してきりさん(仮)の頭をぎゅってした。
きりさん(仮)はちかの足をぎゅってしてる。

「行くぜ?いいか?」

「いいよ!」

それからきりさん(仮)は歩きだした。




2へ続く。


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