聖界
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「どうして着いてきてくれないの…?二神がいないと心細…い……っ」
眉を顰めて今にも泣き出しそうな雰囲気を醸し出す天
そのうち、手で顔を覆って咽び泣き始めた。
タナトスの心が、ちくりと痛む。
ヒュプノスの目が、手で顔を覆い嘘泣きしながら指の隙間からこちらを伺っている天を目敏く見つけた。
「指の隙間から伺わないで下さい天
…我らは貴女を苛めて、アチラに行かないと言っている訳ではないのです。」
「…では、何故」
「身体が…保たないのです。
此所、エリシオン、冥界と違って我らにとってアチラは不浄の世界ゆえ……まあ、日蝕の時なら大丈夫ですが…」
酷く悲しそうな笑みを浮かべるヒュプノス
タナトスがぽん、と天の頭に手を乗せヒュプノスの方に移動した。
「貴女様がどうしても、と申すのなら」
「そのときは、決死の覚悟で御供仕ります」
天の前で頭を垂れ膝射ちの体勢をとった双子神
双子神の忠誠を見た天は目尻が熱くなるのを堪え、クルリと身体の向きを変え、三巨頭の元へ小宇宙を放った。
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