聖界

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「…ありがとう」



それは両神の耳に入る事は無かったが、

首に当たる手が一層温かくなった気がした。






−−−

ヒュプノスとタナトスの治癒のおかげで首の傷もすっかり塞がり、傷はかさぶたになった。


「あぁ゙〜、首痒いー!!!!!」

ぼりぼりと首に巻いた黒い包帯の上からかさぶたに爪を立ててかきむしる天

「!また…天、いつまでも掻いているとその部分の皮膚だけ黒く変色しますよ」

「それは嫌だ。でも痒いの!!」

駄々をこねる天にヒュプノスは、はぁ、と深い溜め息を一回吐き

「…では仕方がありませんね。これ以上傷跡をかきむしらない様に、私が天の首を掴、いえ、天の首に手を当てておきましょう。」

と、表面上に清らかな笑みを貼り付け天の首に手を当てた。
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