聖界
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-ピクッ-
何もない"白"の世界で
何かが動いた。
<ようこそ、みのほど知らずのバカやろう>
何もない所から"声"が聞こえてくる
それは天に対しての言葉だった。
「酷ぇな〜、久し振りに会った親友に対して言う言葉かよ?真理ー」
何もないところへ苦笑して言う。
「…俺には"女"の知り合いはいねぇ。」
一刀両断。
しまった!!! という表情を浮かべながら顔に手をあてる天
…しかし仮面をつけているので意味がなかった。
暫く考える素振りをしてから
「じゃぁ、コレでどうだ!!」
-ぺかーっ-
と、天の身体が光ると
そこには"娘"の姿ではなく"男の子"の姿の天がいた。
(冥衣は体内収納可)
<…へっ、この馬鹿椎がっ、アッチの世界から急に消えやがって!!どれだけ捜したと思ってる!!!!!!!!!
……で、何の用だ?/ハァ>
「んもー、流っ石真理v話が解るやつって大好きー
25体分の精神造って。」
打って変わって真面目になる天
これには真理も開いた口が塞がらない。
<…ハァ、肉体と魂は?>
「もーちー、用意してある。肉体は今から造らなくちゃいけんけど…今の俺は、冥界の王ハーデスだもんな…(ボソ」
<…)…なら俺が精神造らなくても椎お前一人だけでも出来るじゃねぇか>
「しまった〜…こンの地獄耳がぁ!!)そんな固いこといわずに;;;」
<なぁ椎>
ビクッ
「な、なな何でございましょーか、し、しし真理サマ/バレた!?」
<?何キョドってんだ?それより今、どこぞのバカが人体錬成しやがった。もう直ぐ此所へ来ると思うんだが……
少し此所で待っててくれ>
そう言うと真理は門の裏側へと行ってしまった。
「Z Z Z…」
待たされている内に寝てしまった天は、
「……だよ!………!」
<……料だ……>
「…もうちょっとで見え……」
という声で目を覚ました。
天は
(もう椎って真理も解っただろうし冥衣着ても良いよね?…ま、いーか。)
など考え、一瞬のうちに冥王へと姿を変えた。
「そいや、さっきから誰と話してるんだろ?…こっそりと相手の顔拝みに行ったれ…フフフ」
天が動いた、と言っても門の裏側へ行くだけだったのだがそこには…
「金髪の男の子?」
――10歳くらいの…足の腿から下がない男の子がいた。
「お前…―」
天が声を掛ける間もなく。
その男の子は天を一瞬目に映したと同時にこの空間から消えていった。
「…な、真理…人体錬成ってあのくらいの子供でも……するのか?」
<…たまに、な。…亡くなった母親を甦らせたかったんだと>
「…母親…」
そうか、それは―…と言おうとした途端
<…っち、"また"来たぞ>
と真理がいった。
何処からともなく
ぽた
ぽた
ぽた
と白い空間に液体の落ちる音が響いて来た。
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