聖界
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………ドォォォォォォン………
轟音が響き渡り、
「っぐはぁっ…」
そこには聖衣を身にまとっている者達がタナトスの攻撃を受け傷つき倒れていた。
―もはや、これまでか……
―クソッ…すまない星矢…俺達は…
―だが、星華ちゃん…だけでもっ…ぐっ…
傷つき倒れた者達の思考が一つになったとき…
―カリカリ……カリ…カリカリ………
何処からか、何かが地面を削る音が聞こえてきた。
〜魔鈴side〜
…なんだ……この、音は…敵、か…?っ…
…敵ならば、星華ちゃんが危な、い…っでも……身体、が…
「あ、気付かれました? よかった。でも怪我してるんで動かないで下さいね?…今、治します。」
……声からして…男か…?
「よし、結界完成っと。さて……。」
シュン……
……!身体が…身体の痛みが和らいでいく…!
しかしこの男はどうやって…この傷を…
此所に聖闘士は私たち以外にいないはず…
「えっと、治癒と守備の結界を張ったので幾分かは楽になったと思うんですけど…どうですか?」
「…痛みが完全に、とまではいかないが結構引いた。礼を言うよ、有り難う。私は魔鈴。アンタは?」
「僕は椎。どう致しまして、(微笑」
…ッ…仮面被ってて良かったと思うのはまさにこの時だね…。…しかし、椎の笑みは…一瞬本当に男か…?と疑いたくなるぞ…
「まだ動かない方が良いですよ、完全に治った訳ではありませんから」
「いや、大丈夫だ…」
…!そういえば、あの子は?!
「星華ちゃん!…大丈夫かい?」
「はい、もう頭も痛くなくなったわ」
「…そうか。よかった」
まずは一安心だね。
しかし、本当にこの中に居る間は何も襲ってこない…だろうか…?
「だいじょーぶ。何も出入り出来ないし、壊されない。結界が消えるまであと、…(指折り考えて)1時間はあるから。」
さっきから思ってたんだが、お前
「椎って呼んで?」
「…椎、お前心を読んでいるだろう」
「ふふ、さあ?俺にはスラスラと聞こえて来たりして」
…。
《地上のおまえの仲間ももう星華とやらを守る力はない!すべては終わりに近付いたのだ!!》
「…!…お前…タナトス…か?」
《そ、その声は…っ…否、こんな低い声ではなかった…それにこんな処に天がいる筈がない…》
ヤツの声がまた聞こえたが…、今度は…
…天…?
《…なぜ我が名を知る、人間よ》
「…何故だろう……っぁ…頭…が…っ」
《……まぁ良い、どちらを先に殺すも同じこと。ペガサス、お前が先か、それとも姉の星華か…
えぇい、考えるのも面倒、二人まとめて葬ってやる…!》
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