会長受け

□ホコリ味
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「掃除をしよう」




「・・・・・・は?」


としか、言いようが無い、と言うか何というか。

先生は御乱心なさられたか。

いや、別にだ、掃除をするのがおかしい、とか、そういうことでなくて。


言ったタイミングが悪いというか。

卒業生を無事に送り出した後。

生徒会以外の生徒が完全下校したのを確認し
生徒会しつに集合した直後に発する言葉ではないだろう。


予定を押しているのは、分かっているのに。

本日のこれからの生徒会の動きは、
一、今しがた終えたばかりの卒業式の反省
二、四月五日に予定されている入学式の打ち合わせ、兼簡単な準備。

これを四時半までに終わらせなくてはならない。
タイムリミットの主な原因は、生徒会顧問の
角飼綾斗先生の結婚記念日、というなんとも自分勝手な理由だったりする。

という訳で、あまり時間に余裕は無い。

なおかつ、生徒会室はそんなに汚くは無い。

いや、むしろこの学校のどの部屋よりもきれいだと思う。

大晦日にわざわざ生徒会全員で大掃除に来て、年内に使った書類などはすべてシュレッダーにかけて相当念入りに掃除をしたし、
毎日当番制で拭き掃除までしているおかげで、ホコリや塵はほとんど無い。

そして、この台詞である。


「掃除をしよう」

他の人も、この先生の発言にはついていけていないようだ。

先ほどの、「・・・・・・は?」は

一年 書記二人会計一人副会長一人
二年 書記一人会計一人副会長一人
そして、会長の俺、計八名の八重奏になっていた。

四重奏はカルテットだけど、八重奏はなんというんだろう
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