短編(一期ネタ)
□ティータイム
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「再び薬缶を湯にかけろ。泡が出てくるまで沸騰したら火から下ろせ。それ以上は茶葉の風味が損なわれるからな」
スザクはタイミングを計るようにじっと薬缶を見つめている。
その姿に苦笑しながらルルーシュは戸棚からいくつかの茶葉を取り出す。
(今日はダージリンでいいかな)
ここからはスピード勝負だ。
沸かした湯は徐々に冷めていく。
「スザク」
「なに?」
「茶葉はこれを使え。量は一回で約5gくらいだな。ティースプーン中盛り2杯が約5gだが、初心者のお前はきちんと軽量機で測ったほうがいいな」
ルルーシュなら慣れているから、どれくらいの量が適量かは分かるがスザクはさっぱり分からないだろう。
しかしスザクは慎重に測ろうとするため時間がかかる。
ルルーシュは舌打ちして手を貸すことにする。
さっさとしなければ満足いくものが飲めなくなる。
スザクの隣に立ち、ポットに入っている湯を捨てる。
「ほら、ここに計った茶葉を入れろ。そしたら沸いた湯を少し高めの位置から一気に注げ」
ルルーシュの指示のもと、スザクは何とか紅茶を完成させる。
「出来た!」
「まだだ。あとは蒸らさないといけないからな。そこのティーコジーを被せろ」
「イエス、ユアハイネス」
「蒸らす時間は難しいからな。俺が判断する。その間にカップを温めろ」
最終的に後半はルルーシュが手を出してしまった。
そのおかげで美味しい紅茶が飲めそうだ。
***
紅茶だけでは味気ないとスザクが手土産に持ってきたケーキを用意してテラスでティータイムの開始だ。
「しかし、紅茶を淹れるのってすっごく難しいんだね」
「そうか?」
慣れているルルーシュからすればこれくらいは当たり前のことなのだ。
しかしスザクからすればランスロットで戦っているほうが断然楽なのだろう。
「でも、とっても美味しいね」
「次は一人で淹れられるようになれよ」
「イエス、ユアハイネス」
<終わり>