短編(一期ネタ)
□ペット
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ルルーシュは犬が好き、スザクは猫が好き。
好みが違うのに相性がいいのはどうして?
いつものように生徒会室で飼い猫アーサーに咬まれたスザクはそれでも懲りずに相手をしようとしている。
それを見つめるルルーシュの目はとても優しい。
「そういえばルルーシュは犬派なんだよね?」
「それがどうした?」
「犬を飼おうとは思わないの?」
「……お前は俺がどういう状態でいるかを理解しているか?」
アッシュフォードに匿ってもらっている身分でペットを飼いたいなど言えるはずもないし、ナナリーのことを考えればペットを飼える状況でもない。
「それもそうだね。昔は?」
「さあな。いろいろいたような気もするが、あまり覚えていない」
昔のルルーシュなら猫派になっていたかもしれない。
その後の人生のせいで性格は大きく変わってしまい好みも変わってしまった。
「それに犬なら最近よく見るようになったしな」
別に飼っているわけではないが、気まぐれにルルーシュに会いに来てくれる。
「え? 僕も会ってみたいな」
「お前は猫が好きなんだろ」
「猫も好きだけど犬も好きだよ」
スザクがウザくなったのかアーサーは部屋から逃げ出してしまった。
「その割には嫌われているな」
「そうなんだよね。なんでだろ?」
(猫は犬が苦手だからじゃないのか?)
ルルーシュが言う最近よく来る犬はもちろんスザクのことだ。
人なつっこい性格といい、少し天然なところやふわふわの髪の毛……それらがルルーシュには犬に見えて仕方がない。
「ルルーシュ?」
「……スザク、お手」
「……ワン」
ルルーシュが自分のことを犬みたいと思っていることを薄々気付いていたスザクは一瞬どうしようかと思ったが、別にいいかと差し出されたルルーシュの手の上に置く。
ついでに鳴いてみた。
(うわぁ……)
大きな瞳で見上げてくるスザクにルルーシュはときめいてしまう。
「……飼いたいな」
「へ?」
「スザク……俺のペットにならないか?」
「……」
爆弾発言投下。
たまにルルーシュはとんでもないことを言い出す。
(僕ってルルーシュの恋人だよね? ペットじゃないよね?)
「なあスザク……」
「いや、その……」
了承してくれないスザクにルルーシュはむっとする。
すぐに機嫌が悪くなるところは本当に猫みたいだ。
「ケチ」
「……そういう問題じゃないんだけど……」
不機嫌になってしまったルルーシュをなだめるように膝に抱き上げる。
優しく頭や背中を撫でてやれば気持ちよさそうな表情になる。
「ルルーシュは猫だよね」
「じゃあ俺たちは相入れないな」
「そんなことないよ」
「何故だ?」
「だって恋人だもん」
ちゅっとキスをすれば顔を赤らめて、それでも恥ずかしげに抱きしめ返してくれる。
「お前は単純でいいな」
「でしょ」
今日も生徒会の犬猫コンビは仲良しです。