沖田

□In snow.
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「...あれ」


寒いな、と思いながら布団からいやいやながらに抜け出して襖を開くと
庭一面 真っ白だった
それが“雪”である事に気がつくのに少し時間が掛かってしまった


「おう 起きてたんでィ?」
「おはよ、総悟
 今日は随分と早く起きたね」
「寒くて目が覚めちまったんでさァ」


ふぅん、と適当に返事を返して空を見上げた
雪はまだまだ止みそうにない


「しかし随分と降りやしたねィ」
「ほんと もう冬だね」


そんな返事を返しながらふと総悟の方を見ると


「...ぶっ」
「? 何でィ」


本当に起きたばっかりなのだろう

亜麻色の髪の毛はあっちこっちに跳ねていて

目はとろーんとしている

しかも着物も崩れている


「ちょっと... 外出る前に身なりくらいちゃんとしてよ」
「...ああ 面倒だったもんで」
「ったく...」


こんな総悟も結構可愛かったりする

―――――というのは口が裂けようが天地がひっくり返ろうが絶対に言わないけれども...
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