沖田

□唯一の弱点
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「あれ、紫鶴?何してんですかィ??」

「総悟こそ」


沖田がサボろうかと庭にある縁側に来て見れば先客がいて

よくよく見てみれば新選組唯一の女性、東紫鶴だった



「俺ァサボりでさァ」

「随分ストレートだね…」


苦笑しながらそう言って読んでいた本から顔を上げる



「紫鶴こそサボりで??」

「私は今日休みだよ」


そうですかィ と返しながら彼女の隣に腰を下ろす


「サボり日和ですねィ…」

「サボり日和かどうかは分からないけど…良い天気だね」

「こんな日はだらだらするのが一番でさァ」

「そう言うわけには行かないでしょ」

「そうだぜ 総悟
 テメェ何してんだ??アァ??」


急に降ってきた声に驚いて振り返ってみれば

鬼のような顔をした土方と

困ったような顔をした山崎が立っていた


「あ、土方コノヤローだ
 何してんでィ??」

「何してんでィ?じゃねーだろ サボってないで見回り行くぞ」

「えー…」

「えーじゃねえ!!!」


そんなやり取りを身ながら小さく笑う紫鶴


「じゃあ私も部屋戻ろうかな」


ちょっと暑くなってきたからね と続けながら立ち上がってふと壁の方を見て


固まった



「? 紫鶴?」

「どうかしたんでィ??」

「大丈夫ですかー??」


声をかけるが全く反応が無い

不思議に思った山崎が彼女の顔を覗き込み目の前でヒラヒラと手を振ってみる

目の前で動かされた手に、紫鶴がはっと気がついたように目を丸く見開き…



「Σ…っ いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」



次の瞬間、誰も聞いた事の無いような甲高い悲鳴が響き渡った

度肝を抜かれたように土方と山崎が驚いて…


「Σ…!?」


同じく驚いて振り返った沖田に紫鶴が物凄い勢いで抱きついてきた

慌てて崩れた体勢を立て直して小さく震える紫鶴に目をやる


「何でィ??」

「……...!!!!」

「言わないと分かんないでさァ…」


困ったようにそう言いながら落ちつかせるように背中を撫でる


「どうしたんでィ??」

「……っ…」


紫鶴は何も答えず(というか答えられず)に右手の人差し指を壁の方に向けた
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