他小説
□ほどける
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【ほどける】
愛するより愛されたいけど、
守られるより守りたい。
可愛くなりたいとは思うけれど、
庇護意欲を掻き立てるような、
か弱い人にはなりたくはない。
「・・・だから嫌いなのよ、あなたの事。」
私を私でなくさせる人。
こわい。
こわい。
こわい。
「近付かないで、って言ったよね?」
弱い自分なんて、見たくない。
守られるだけの存在だなんて、1番なりたくなかったはずなのに。
「僕に守られてみませんか?」
そう告げられて、解けてゆく、私の心。
「さぁ、どうしようかしら?」
「拒否はしないのですね?」
「そうね。」
あなたになら守られても良いかもと言うと、彼は満足そうに微笑んで、私の額にキスを落とした。