絡靉

□邂逅
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「…ここは?」
見渡す限りのうっそうとした木々に囲まれている
気付けば僕は知らない森に迷い込んでいたようだ
全く僕としたことが
この年になってもまだ迷子か
沢田綱吉のことも人ごとのように笑っていられないな
任務で久しぶりに帰ってきた日本
懐かしい雰囲気に身をゆだね、ふらっと歩いていればこのざまだ
はぁ…と僕は大きなため息をついた
にしても何処に行けば出れるのだろうか
どっちを向いても視界にはいるのは全く同じ景色
適当な方向に暫く歩き続けるとフッと視界が開けた
いきなり現れた風景に僕は目を丸くした
手入れの行き届いた薔薇が植えられ大きな城がそびえ立っている
一体どんな奴が住んでいるのだろうか?
それよりこんな所に城なんてあっただろうか…?
「どなたですか?」
急に掛けられた声で僕はビクリ、とした
こんなに人が近づいても気付かなかったのなんて久しぶりだ
「貴方…確か雲雀君、でしたかね?」
!?
なんだこのパイナップル…
どうして僕の名前を…
「僕は六道骸です」
六道骸、か
こいつは警戒する必要がありそうだ
「お疲れでしょう、一回屋敷に入りませんか?」
そう言われ、僕は先に歩き出した骸を追いかける
++++++
+++++
++++
+++
++


屋敷の中はとても広いのに人も全く見当たらずがらんとしている
まあ、人がいないのは嬉しいのだが…
骸が扉の前で立ち止まる
此処に誰かが居るのだろうか
骸は扉をノックして反応ないのにさっさと開けた
それならノックする意味ないよね?
中にいたのは銀髪で綺麗な男の子
「そいつは…?」
「雲雀君ですよ 迷い込んでいたのです」
「雲雀か…」
「雲雀君、こちらは隼人です」
隼人、とは言われても日本人ぽさは微塵もない
まるで同じ名を持つ"彼"のようなのだが…
赤い瞳なんて初めて見た
だからこれが僕らの初めての出会いである、と思っていたんだ
彼の持つ赤い瞳の意味すらも知らなかった、僕は
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